2011年7月22日金曜日

フォトカプラの高速駆動(絶縁型シリアル通信の高速化)

さて、組み込みシステムにおいて、PCとの通信は頻繁に使用されるもので、デバッグや情報の収集にか欠かせないものである。最近はUSBが主流と成ってきたが、RS232C時代の歩調同期式通信もまだまだ利用価値は高い。USBーシリアル変換ICを利用すれば簡単に通信が実現出来る。

ただ、問題になるのは絶縁だろう。組み込みシステムの実験において、PCと電気的に繋がっているのは多少の問題がある。最悪の場合にはUSBポートの故障、PCの故障にもつながる。とくに大電流や高周波を扱う回路であれば、ノイズの問題も忘れてはならない。

そこで、今回はフォトカプラによる絶縁回路の設計である。使用するのはごく一般的なもので東芝製のTPL521である。しかし、ここで大きな問題が発生するそもそもフォトカプラによる伝達には一定の遅延が起きる。これを必要最小限に抑え、出来るだけ高速に作動させる必要がある。

今回の実験ではカレントミラー回路によるもので、NPNタイプのトランジスターを2個セットにして使用し、通信速度の高速化を実現したい。

さっそく、実験ボードを製作し、マイコンにて方形波を生成、オシロスコープにてその波形をチェックする。
赤色がマイコンからの波形で、黄色がフォトカプラ通過後の波形である。
先ずは4800bps、この速度ではほとんど問題がないと思う。

次に、9600bps、立ち上がりが多少丸くなってきているが問題は無い。

次に、19200bps。これも立ち上がりが丸みを帯びてきているが、振幅も十分触れているので大丈夫である。

38400bps。このあたりになると波形の形もだいぶ丸くなってきたが、振幅と共に、波形の幅もまだ十分なので、エラーは少ないであろう。

 57600bps。このあたりからだんだん怪しくなってきたが、振幅(現在は5V)は十分だが、波形の幅が多少狭くなってきた。歩調同期式の場合にはサンプリングポイントの場所が重要である。この波形であれば、中央のポイントでサンプリングすれば読み取りは可能だ。多少のエラーが発生するかもしれない。

76800bps。上記の波形では読み取りが五分五分になるのではないだろうか、ぎりぎり振幅は取れているものの、波形の長さが、入力の半分程度に成ってきているので、読み取りに失敗する可能性は高い。

 115200bps。まず、これでは通信は不可能である。

以上の結果より、今回はしていないが、単にフォトカプラを使用した実験では4800bpsが限界だった。だが、回路を組むことにより、最高で57600bpsまで通信速度を上げられた。10倍以上の通信速度差は絶大である。安価なフォトカプラであっても工夫次第で、実用に耐えられるので、今後も活用して行きたい。

0 コメント: